川北英隆のブログ

隅田川の堤防

東京に出てきたときの楽しみの一つが隅田川の河岸を走ることである。寒さが戻ったため、咲き始めた桜はまだ満開ではない。土手にはタンポポ、スミレが咲いている。園芸種の黄色いカタバミも数が多くなった。そんな堤防だが、室戸や伊勢湾級の巨大台風が襲えば決壊し、周囲が浸水するという推計結果を国土交通省がまとめた。だから堤防の補強工事が必要だということになるのだろう。
それはそれで正しいし、推定のための想定がオーバーすぎるとの反論はあっても、それ以上のことを言うのは難しい。ただし、その正しさはミクロでのことである。マクロ的には、そんな自然災害の危険のある地帯に都市機能を集中させてきたことが問題である。だから、巨大台風が襲えば甚大な被害を受ける。都市機能が分散していれば、被害は軽減される。
土手の植物を撤去し、堤防をコンクリートで固めて要塞化し、被害を食い止めるのか、それとも都市機能の分散化を積極的に図り、花咲く土手の植物を毎年愛でて、被害を軽減するのか。これがマクロ的な判断だろう。

2009/04/03


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