島根出身の友人がいて、地元の料理を自慢している。彼に言わせれば、「そんなもん大したことない」のだろうが、日本橋で島根料理を連続して食べる機会があった。
1つは、島根料理で古くから東京に進出している店である。赤坂見附にあった頃から何回か行った。スズキの奉書焼き、鯛飯で名前が売れている。昨日も別の友人と昼飯を食べた。鯛飯を食べようという気分ではなかったので、普通の和食にした。友人は鯛飯を注文したが、傍から見ていて、あまり食が進んでいる様子ではなかった。次にこの店で食べる時には出雲ソバのセットにしようと思った。
もう1つは、最近(といっても3年くらい前から)出店した店である。居酒屋風だが、流行っている。別の友人が定期的に、この店を使って飲み会をセットしてくれる。最近、予約できないことが多いので、神田近辺にある系列店を使うようになった。この店の特徴は魚が新しいことである。飲み会のメンバーが好きなのは鯖のしゃぶしゃぶ(醤油を入れた鍋の中に薄く切ったサバとタマネギを入れてしゃぶしゃぶ風に食べる)である。居酒屋にしては安くないが、流行る理由が理解できる。
古くからの有名店と最近出店した店。島根という東京から見て日本で一番遠い地域であっても、鮮度を保って食材を運べるようになった。伝統的な、鮮度を気にしなくてよい料理が生き残るために何が必要なのか。料理人でない者には答えがないが、ふと考えた次第だ。
2009/05/02