昨年9月のリーマンショック以降、日本経済は大打撃を受けた。輸出がきりもみ状態で落ちたからである。
日本経済は海外経済に依存している。2002年を底に07年まで経済が回復、拡大したのも、アメリカと中国とインドの経済の拡大があったからだ。竹中平蔵氏や、ゴーン氏や、それらの手法を真似した経済人の力ではない。少なくとも、それだけでは日本経済の下落を食い止められなかった。
そもそもはアメリカ経済が低金利と住宅投資で拡大したから、中国やインド経済の潜在力が顕在化したともいえる。だとすれば、サブプライムローン拡大のおかげが巡りめぐって日本経済を回復に導き、そのサブプライムローンによって現在の奈落に突き落とされたことになる。
いずれにせよ、日本経済には自律的な力が乏しい。老齢化が進み、人口が減少しているから仕方ないのかもしれないが、そもそも年金を筆頭に、老後に安心感を抱けないから「お金持ち」のはずの高齢者層に元気が乏しい。東京に働き口が集中するから、働き盛りは高価なマイホームを手に入れるために四苦八苦している。若者は・・・。
そんな社会分析はいいとして、日本経済が海外頼みでしかないということは、日本経済の現状を分析するだけの目的であれば、輸出の状況を見れば大部分事足りることを意味している。財務省が1カ月もたたないで公表する貿易統計に価値があるということだ(正確には、その月の上旬、中旬の数値が20日程度経過して公表されているから、もっと速報性がある)。
3月の貿易統計は4月22日に公表された。それによると、アメリカ向けが2月を底に上昇に転じたようだ。中国向けは1月が底だった。もっともヨーロッパ向けは、スピードは落ちたものの、まだ下落を続けている。これらの主要地域の3月の状態が今後とも継続する保証はないものの、日本経済の夜明けは近いと思える。夜明けを確認するためにも、貿易統計に注目していきたい。
2009/05/03