6月初旬のブログをサボっていた。少し旧聞だが、法人企業統計に基づいて、今年1-3月の企業業績を簡単にみておく。
株価という意味では大企業(資本金10億円以上)に注目すればいい。それによれば、全産業(金融保険を除く)は営業利益段階で赤字だった。製造業の大赤字を非製造業の黒字で埋めきれなかったわけである。製造業の営業赤字は1-3月だけで2.9兆円に達している。四半期ベースで最大の黒字額が2006年10-12月の4.5兆円だったから、その半分以上の赤字だったことになる。
この製造業について、利益の内訳をみておく。人件費は昨年10-12月期に比べ、1割以上のカットとなっている。季節的に1-3月の人件費は減額するが、今回の減少は非常に大きい。非正規社員の解雇問題が新聞紙上を賑わしたのも当然だろう。他方、減価償却費は増加している。2008年の当初まで、企業は積極的に設備投資を行っていた。その影響が表面化している。営業利益、人件費、減価償却費の合計は国民所得統計(GDP統計)の総生産の定義に近い。この合計値は2007年当時の半分以下に落ち込んでいる。大企業の製造業の状態が惨憺たるものだったと改めて理解できる。
今後に関して、減価償却費の負担が重荷となるだろう。もっとも、4-6月には売上が増加に転じると予想される。どの程度、売上が回復するのか。7-9月以降、さらに売上高が増加するのか。まだまだ予断を許さないものの、他の経済統計(貿易統計、鉱工業統計等)からして、1-3月が最悪だったことだけは間違いないだろう。
2009/06/20