月末は経済統計の公表ラッシュである。今日は労働関係の統計が公表された。失業率が急速に落ち込み、求人が急減している。通常なら、労働関係の統計は経済活動に遅れるので無視すべきだが、今回は少し心配である。
普通、景気が良くなったことを見計らって「新規に雇用しよう」と意思決定する。だから、「労働関係の指標が悪化しているから景気が悪くなっている」と結論するのは誤りに近いである。経済の回復の初期段階かどうかを見極めなければならない。今回の景気の後退は1-3月でとりあえず底を打ったかに見える。労働環境に明るさが見えるのは先であろう。このように考えるのが、従来のパターンを知っている者の最初の判断である。
しかし、今回の失業率の上昇と、求人倍率の低下を眺めると、依然としてそれぞれのスピードに緩みがない。底が見えない状態である。もっとも、求人倍率はゼロ未満に低下しないので、いずれどこかで底を打つのだろうが。
これらの動きは、企業のマインドが著しく落ち込み、国内での生産能力を落とそうとしている兆しのようにも見える。そうだとすれば、経済の調整は長続きする。しかも、これだけ失業率が高まり、求人が落ち込めば、個人消費にも大きなダメージを与えかねない。今回の労働市場の悪化はこれまでに見られなかったスピードで進んでいるため、要注意である。
そういえば、今日が公務員のボーナス日だった。何パーセントか忘れたが、カットされていた。消費を落とさなければいけない。でも、年齢を重ねるとともに、飲食の量が落ちてきているので心配ないか。
2009/06/30