明け方、精神が最も不安定になる。冴え渡っていて、少しの刺激で日常では思いも寄らないことがひらめくのかもしれない。先日の明け方も、フランツ・カフカの「変身」的なことを思っていた。
「何のために生きているのか」と、うとうとしながら考えた。卒業生から就職先でのトラブルの相談を受けていたから、そんなことを考えたのかもしれない。「今となっては、あまり目的はないな」と自問自答した次の瞬間、「ナメクジには目的がある、方々をなめまくるという」、「ということは、生きる目的の有無という意味でナメクジ以下かも」とひらめいた。日経の日曜日の最終面にナメクジの話があったからだろう。「でも」と、誰かの声がした。「でも、川北さんの目的は世界の山に登ることでは」と質問された。「そうかもしれないが、登れない山は、それこそ山ほどある」と答えていた。「地球規模から見れば、人間はナメクジ以下かもしれない」、「山を歩くのはナメクジの歩みに似ている」、「でも、山をナメクジのようになめ尽くすことは不可能だ」、「垂直の壁にはお手上げだし」何て考えながら、再び眠ってしまった。
これからの自己紹介には「ナメクジのような山歩きが趣味です」を使おうかとも思う。しかし、何故ナメクジなのか相当の説明が必要なようなので、このキャッチは酒の肴、酔っぱらいの繰り言程度だなというのがとりあえずの結論である。
2009/07/02