以下は個人的なメモである。以前から思っていたことの確認事項もある。考えるきっかけ、情報源は複数あるのだが、具体的なことは記さない。
格付け機関は直接的な顧客としての、債券などの発行者を向いている。もう片方の顧客である投資家とは直接会う機会が少ないし、手数料をほとんどもらわない。だから、意識する必要性に乏しい。
これは日系、外資系を問わない。外資系も、少なくとも支店長クラスのトップは、企業としての収益を考えて行動しているから、やはり直接の顧客を向きつつ、格付けを付与する傾向がある。
規制は、格付け機関が金融監督機関の検査を受ける方向にある。このことによって、格付け機関のあり方が大きく変化しようとしている。一つは中立性を強く要請されていることだ。特定の利害関係者が経営に大きな影響を与えることは許されなくなっている。だから、従来の経営者や組織を物理的に変えつつある。しかし、そうだからといって直接間接に影響を及ぼしていた機関のOBを受け入れるべきなのかどうか、議論があろう。もう一つは、経営者だけではなく、アナリストなどのミドルクラスも物理的に変わろうとしている。経営者が変わろうとしているのだから当然だという側面もあるが、格付けの方法や基準が変化しようしている影響も大きい。
サブプライムローン問題以降、格付けに対する批判が絶えない。それによって社会や市場における格付けの位置づけも変化している。格付け機関とは、メディアの延長線上の中立的な情報提供機関なのか、それとも商業銀行や投資銀行の役割の一端を担っているのか、投資家の機能を代行しているのか、その本質が問われているわけだ。
2009/07/08