川北英隆のブログ

外資系金融機関の解雇

外資系金融機関に勤めていた卒業生が、契約保証期間が残っていたにもかかわらず一方的に解雇されたそうだ。しかも、「訴えると、二度と金融界で働けないようになる」と解雇時に言われたとか。事実関係は確認していないが、本当だとすればひどい話である。
弁護士を紹介してほしいというので、労働法の専門家ではないが正義感の強い弁護士を紹介した。ここまではメールベースの進展である。
本日、当人と東京で会った。意外にさばさばしているので安心した。多分、解雇した会社の意思とは無関係に、金融関係以外の新たな職場を探したいようだった。こちらの方から、いくつか心当たりを言ってみたが、気乗りしない様子だったので。
外資系の金融機関を希望する学生が多い。大手の場合、給与が高いのが最大の魅力なのだろう。ここで、根本的な間違いがある。ファイナンスで「ただ飯はない」、「ハイリスク、ハイリターン」と学んでいるはずなのだが、それが就職にまで通用する原理だとは思っていないらしい。
大手外資で働いていて、ある程度の高い地位を得た友人からの情報を適当に解釈すると、高い能力があるか、そこそこの能力があって命をすり減らして働くか、もしくはいろいろなきわどいリスクを積極的に取るかをすれば、大手の外資系金融機関で偉くなるらしい。
最初にあげた場合はともかくとして、二番目、三番目のことまでしてゼニの花を咲かせる必要があるのかどうかである。外資に行きたい場合、まずは胸に手を当てて考えるべきだろう。

2009/07/10


トップへ戻る