今日、財務省が6月の輸出入統計(速報値)を公表した。日本経済に対して唯一の牽引役を果たしてきた輸出だから、その動向に注目が集まる。NHK風に思わせぶりに言うと、その結果は・・・。
その結果は、5月に回復が停滞した反動もあるのか、比較的明るい数値だった。
というのも、輸出数量が前年同月比-27.6%にまで回復したからである。2月に輸出が最大の落ち込み幅、同-45.4%を示したことと比べれば、順調に回復しているとも評価できる。ちなみに、前月5月は同-36.2%だった。
品目別にまで分析する余裕がないので、地域別の分析結果を示しておくと、アジア向けの回復が著しく、前年同月比-19.0%にまで戻った。速報値段階では中国向けの数値が公表されていないものの、ここ数ヶ月、前年同月比のマイナス幅で見て、中国向けの回復よりも他のアジア地域向けの回復が速いので、6月もこの傾向が続いているのかもしれない。一方、アメリカ向けは、前月までの3ヶ月間、回復が足踏み状態だったが、6月は久しぶりに回復を示した。アジアほどの勢いがないものの、アメリカ経済のゆっくりとした回復を反映しているのだろう。
他方で、6月の輸出数量を見て、前年同月比-27.6%でしかないと表現することもできる。依然として前年よりも3割程度活動水準が低いのである。
いずれにせよ、せめて輸出数量のマイナス幅が1ケタにまで回復してほしいものだ。そうなるのはいつ頃か。これまでの回復のスピードからすれば、昨年、輸出が急落する直前の月、9月に達成できるかどうかは微妙である。
2009/07/23