川北英隆のブログ

ブランド観光商法の?

本日、世界ジオパークに日本の三ヶ所が選ばれたとのこと。以前から思っていることだが、世界遺産といい、日本にとって何の意味があるのか。単なる観光のためのブランドでしかないのでは。
日本で世界自然遺産に選定されているのはどこか、正確に覚えていない。最初に選ばれた屋久島と白神は、日本においてそれなりの迫力があった。しかし、世界的な視野ではどうなのか。多分、圧倒的な迫力はないだろう。そもそも、白神に対しては最初から疑問の声があったのも事実である。
日本で気になるのは、世界遺産やジオパークやミシュランの星が観光の手段としか考えられていないことだ。世界自然遺産に選定された後、屋久島や白神に足を踏み入れたことがない。その直前に調査のために訪れたとき、すでに観光汚染が問題になっていたのを思い出す。廃棄物の処理が最初から大変だとわかっていた。
結局のところ、日本の場合、世界遺産やジオパークのブランドを得て、残された貴重な自然が金銭と交換されるだけではないのだろうか。そのようなアホな状況をもたらさないためには、まずは高額の入域料を徴収すべきである。むしろ、それが自然遺産に指定された、ブランドとしての意義だろう。かつて訪れたガラパゴスでは、100ドルを徴収された。それでも観光客が殺到するので、外来種の進入が問題となっている。500ドルに値上げしてもいいだろう。それでも行きたければ、行けばいいし、私はそれでも再訪したいと思う。
ついでにいえば、ミシュランの星ほどアホなものはない。もちろん星の付いた料理店にはそれなりのものがあるのだろう。しかし、外人に日本の料理店を評価してもらい、それをありがたがってどうするのだろう。たとえば、外人に鮒寿司は食えるのか、ヘシコやクサヤはどうなのか。別に蔑視しているわけではない。自分たちの味を自分たちで吟味し、評価することが最初に必要である。そうでなければ、日本の食文化は日本の株式市場の二の舞になる。でも、鮒寿司やヘシコやクサヤは日本人でも多くは食べられないか。美味いのに。

2009/08/23


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