川北英隆のブログ

鉱工業生産の回復続くが

遅ればせながら、7月30日に発表された6月の鉱工業指数について、少しだけコメントしておく。要点は、2月を底にした回復基調が続いているものの、生産水準は依然として低いこと、設備投資関連の回復が遅れていることにある。
6月も鉱工業生産の回復基調が続き、また生産予測調査によると7月、8月も回復が続く見通しになっている。6月の生産に関して、生産予測調査の実現率(見込み値と実績値の比率)は+0.8%と上方修正されている。明るい方向である。とりあえず、景気の回復の足取りが途切れておらず、喜ばしいと言える。
問題は、生産の水準である。ピーク比に比べ、依然として25%程度下にある。2005年(指数の基準年)の平均値と比べても20%程度下回っている。回復しているとはいえ、依然厳しい状況にあることには変わりない。
内容として、前月に指摘したように、設備投資関連財(資本財)の生産の回復が鈍い。とりわけ、土木建設機械、金属工作機械の生産が極端に落ち込んだままであり、回復の気配に乏しい。このため、資本財全体としては、「5月の生産水準がとりあえず底だったのかな」程度の状態でしかない。
2月以降の生産の回復スピードが続いたとして、2005年の平均値にまで回復するには、後6ヶ月かかる。早くて年明けに一息つける状態が期待できる計算である。

2009/08/02


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