久しぶりに隅田川を走った。夕方だった。暑いのであまり長くは続けられなかったが、久しぶりだといろいろ気づくことが多い。
今年はあいにくの夏空、今日も雲が多かった。その雲は熱帯にスコールをもたらす雲に似ている。走っていると、雲には夕陽が当たり、少し赤くなっていった。河岸の建物も赤い。そんな風景の中、大きなカモメが何羽も空に舞っている。河岸に建物がなければ、何年か前、ガラパゴスの旅行した時の風景に似ていると思った。飛んでいる鳥はグンカントドリかカモメかの差はあるものの、気持ち良さそうな雰囲気には違いがない。隅田川には冬には鳥が多いのだが、夏は少ない。夏になると餌が多いからだろうか。これで、隅田川の夏に鳥が多ければガラパゴスの雰囲気にもっと似るのだがと思いもした。
河岸に植えられたアシが茂っている。何年か前、河岸に砂を入れ、その砂の中にアシの根を植える工事がされた。走っている河岸には、このようにしてアシの植えられた箇所が二ヶ所ある。一ヶ所は2年前の冬だったと思う。そこはまだ完全にアシが生えそろっていないが、そのまた2年前に植えられたと記憶している箇所の方はほぼ完全である。もっとも、植えられているのは河口に近い所なので、潮の干満の影響を受け、入れられた砂が削られていく。このため、ときどき砂が追加されている。今年も追加されたようだ。昔、護岸工事がされていなかった頃は自然にアシが生えていたのだろうが、護岸工事の後にアシを植えるのは大変な作業だという証拠である。穴を掘り、埋め返すというケインズの公共工事の話を思い出した。
2009/08/04