川北英隆のブログ

ナラが枯れる

新幹線で京都と東京を往復しているといろんな風景が瞬間的に目に入る。昨年から気になっているのが琵琶湖周辺の広葉樹が枯れ始めていることだ。
昨年の夏、米原周辺の山の木が枯れていることに気づいた。松が枯れることは以前からあった現象だが、どうも木の姿が松のようには尖っておらず、丸い。広葉樹のようだと思った。
今年もまた、米原から京都にかけて、広葉樹が枯れている。しかも最近、大学の研究室でも、大文字山の広葉樹が枯れていることに気づいた。それも一本だけでなく、結構な数である。
実は昨年、インターネットで偶然、ブナ枯れに関する記述に出会った。それなのかなとも思ったが、米原から京都にかけて、新幹線から見える低山にブナの木はない。ナラの類であろう。インターネットで検索すると、ナラの木の枯れる現象も全国的に問題になっているらしく、かなりのヒット数だった。
先日、比良に登るときにも観察していたが、それらしき枯れた木は見当たらなかった。その代わりに依然として松枯れが目立った。
いずれにしても自然林が枯れるのは残念なことである。薪にするために山に入る必要度が低下するに伴って生態系が変化していくのか、温暖化の影響なのか、動物だけではなく植物の病原菌も国際化しているのか。私の研究対象とはなりえないが、誰かがしっかりと原因を確かめていってほしいものだ。

2009/08/11


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