川北英隆のブログ

上海証券取引所と東証

本日(9/12)の日経の夕刊の記事に、株式売買代金で上海証券取引所が東証を上回っているとあった。最新の数字が判明した8月までのグラフも掲載されていて、よく見ると、今年の2月から上海証券取引所の方が東証の上にきている。何だか変な記事である。
第一に、もっと早く書いてもよかったのだが、たまたま紙面が空いた今日、掲載したという雰囲気の記事である。実のところ、グラフで見ると、上海/東京の倍率が一番高いのは7月であることも、1月遅れの「ニュース」という印象を強めしまっている。
第二に、時価総額で上海証券取引所の方が大きくなったという記事が以前に掲載されたことがあるから、改めて書くほどの内容でもない。念のために言えば、株式市場で一番重要なのは時価総額である。売買代金は投機的な市場になれば当然膨らむから、その金額が大きくなったことが喜ばしいかどうか、逆に小さくなったことを嘆く必要があるのかどうか、よく考えなければならない。どうせ記事にするのなら、売買回転率(売買金額/時価総額)も示しておいてもらいたかった。
第三に、この点は記事を読むと多少書かれていたので、まあ納得したが、中国経済が急速に発展している以上、いつかは、どの部門でも、「中国>日本」になる。中国と規模で勝負できたこれまでの約100年間という奇跡の時間帯が終わったのである。今後は、いかに質で勝負するのかが重要となってくる。

2009/09/12


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