22日に9月の貿易統計が財務省から公表された。新聞にも報道されていたように、ゆっくりではあるが、回復が続いている。今回はEU向けの回復が一番心配だったが、9月は回復を示した。
日本経済は輸出次第であるから(2000年代に入ってその傾向を強めているから)、貿易統計をいつも見ている。とくに輸出数量指数に注目している。この段階では中国向け輸出数量が公表されない(公表は月末になる)ものの、アジア向けを見ることで傾向がわかる。
それによれば、前年同月比で、アメリカ向け-27.4%(8月は同-29.3%)、EU向け-31.7%(同-39.1%)、アジア向け-9.6%(同-15.8%)、輸出全体で-21.9%(同-25.4%)だった。9月は中国を初めとするアジア向けの増加と、EU向けが増加に転じた一方で、アメリカ向けが冴えなかったことから、緩慢な回復にとどまった。とはいえ、輸出が回復傾向にあることは日本経済にとってプラスであることに変わりない。
10月以降について、輸出の状況を見るには注意が必要である。というのも、昨年は10月から輸出が減少に転じ、11月に急落したからである。10月の輸出数量は前年同月比で依然としてマイナスが残ると推測できるが、11月には10%近いプラスに転じなければ輸出の回復は本物ではないだろう。いよいよ景気の実態を占う上での正念場に突入する。
2009/10/24