経営者つながりで、もう一つ。経団連が資金繰り対策として社債やCP(コマーシャルペーパー)の買い取り政策の再開を日銀に求めるという。これもまた情けない話しである。
9日の読売新聞によると、「日本経団連が金融政策に関する提言をまとめ、日本銀行が打ち切りを決めた企業金融の支援措置の継続を求める」という内容の記事があった。日銀はリーマンショック以降の経済の混乱を和らげるための特例として社債やCPの買い取りを行ってきたが、その打ち切りを10月30日の金融政策決定会合で決めた。これに対し、経団連が「打ち切りは間違い、再開すべき」との苦情を言うわけだ。
経団連は大企業の集まりである。また、社債やCPを発行できる企業も、現実には大企業にほぼ限定されている。だから、たとえ「中小企業の金融が苦しいので」とのお題目を経団連が付けたとしても、要するに大企業のために特例措置の継続を訴えたことに等しい。
景気も徐々にではあるが回復に向かっている。一方、経済の混乱期には多くのチャンスが転がっているものだし、景気が回復してきたから、チャンスを生かす道筋も明確になりつつある。力のある大企業にとって、今こそ千載一遇の好機である。そんな時に、まだまだ日銀にすがりたいと訴えるのは「恥」でしかないだろう。むしろ、社債やCPの買い取り措置の打ち切りを率先して求めるのが筋のように思う。
「道を尋ねるタクシー」と同様である。プロの経営者が絶滅危惧種になったのか。この分では日本の株価は暗い。
2009/11/11