川北英隆のブログ

輸出数量の回復は続くが

10月の輸出に関して少しコメントしておく。数量ベースでの回復基調が続いており、前年に比べて10%下回る程度の水準にまで持ち直してきた。
地域別には、アジア向けの回復が早い。数量ベースでは、ほぼリーマンショック以前の水準にまで回復した。とくに10月は、これまで回復を主導してきた中国向けというよりは、それ以外の地域向けの回復が目立つ。中国向けも依然として回復しているが、前年10月の水準が高かった影響から、今年10月の回復はあまり目立たなかった。アジアの回復が本物かどうか、11月を見たいものだ。
欧米向けも回復を続けている。もっとも、その水準はアジア向けに比べて遅い。10月の数量ベースの水準は前年に比べて2割から3割低い水準にある。欧米向けがもう一段回復しないことには、日本企業の生産水準は正常化しないだろう。
一方で気になるのが輸出価格の低下である。輸出量は確保しつつあるものの、肝心の単価が確保できていない。企業にとって収益的には依然として厳しいと言わざるをえない。さらに、ここにきて急激な円高という現実がある。物の流れから評価して、為替レートは相当行き過ぎだろう。

2009/11/28


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