10月の鉱工業指数が発表された。9月の指数の公表を受け、このブログで指摘した傾向が続いているようだ。企業は生産に慎重で、出荷に見合った生産を手控えている。この結果、在庫の減少が続いている。
10月の生産は前月比0.5%の上昇にとどまった。生産の水準はピーク比で8割を割ったままである。
生産が微増だった一方、在庫が減少している。このことは、企業が先行きに対して慎重になっていることを示唆しているようだ。製品に対する需要が伸び悩んでいるのかもしれない。
9月にようやく底を打ったと確認できた資本財だが、力強さに欠けており、10月の生産と出荷は低下してしまった。日本の景気が本格的に回復に向かうには、まだ道筋が遠いと考えておいた方がよさそうだ。
これまでの鉱工業生産の回復を牽引してきた生産財も、10月は微増にとどまった。中国を初めとする海外の回復が一巡したことを表しているのかもしれない。今月の数字だけでは即断できないものの、要注意である。11月の数字を見たうえで、慎重に判断したい。
2009/11/30