1/19、日本航空が会社更生法を申請し、事実上倒産した。100%減資だから、新しい会社の看板を背負うことになる。減資に関連する記事の中に地方自治体が株式を保有していたとの記事を見つけた。
本日(1/21)の日経朝刊によると、岡山県、北海道が、秋田県が地元空港に飛んで来てもらうため、日本航空の依頼で保有したという。正確には株式持ち合いではないが、相手の弱味に付け込んだ政策的投資の強要である。
こういう例はよくある。日本航空と体質の似た某国際空港会社が資金調達のために債券を定期的に発行し、それを関係する金融機関や企業に保有してもらうことが行われていた(今はどうなっているのか知らないし、知ろうとも思わないが)。決算内容が悪い(計画よりもはるか下で推移している)ので、新たな債券の保有を断ると、脅しにやってくる。「誰それに言いつける、言いつけたら、その誰それが関係する世界で商売ができなくなるからな」という趣旨のことを、丁寧を装って言うのである。
そういえば、日本航空に関して記録に留めておくべきことがある。2008/03に優先株6億1400万株を250円で調達したこと、その前の2006/06/30、株主総会の2日後に抜き打ち的に公募増資を行うと公表したことである。
優先株の多くは取引関係先にはめ込まれたのだろう。一方、公募増資に関してはWikipediaを引用しておく。「この公募増資は発行済み株数の約37%にあたる7億株を新規発行しておよそ2000億円を調達するというものであり、・・・公募増資に関して株主に対する明確な説明は為されておらず、・・・株主軽視との批判がされた。その後、増資は実施されたが、1400億円程しか資金が集まらず目標を下回った上に、株価も一時的に大きく値を下げた」。
優待券目当ての個人株主が損失を被った。教訓は、「株主優待というようなものに誤魔化されてはいけない。企業の経営と業績を優先的に評価し、投資すべきだ」という、当たり前のことである。
2010/01/21