本日(1/29)、12月の鉱工業指数(速報値)が公表された。10月にもたつき感があったが、11月、12月と再び持ち直している。1月、2月の予測指数も、伸び率は縮小するがプラスを維持している。
全般的には回復が続いていると評価できるだろう。11月、12月と連続して再び回復が顕著になった一番大きな要因は資本財である。資本財(輸送機械を除く)は7月まで低下が続いていたが、11月、12月と2ヵ月連続で大きく伸びた。
また、在庫率はほぼ適正なところまで低下した。正確には、まだ多少多いのかとも思えるが、ほぼ誤差の範囲に入ったと考えていいだろう。
もっとも、楽観を許さない点も多い。
まず、生産の水準である。何回か指摘したように、まだピーク(2008年2月)比で81.7%の水準でしかない。回復して当然の水準である。ここで回復がへたるようでは先行き大いに不安になる。
第二に、建設材や非耐久消費財が低下を続けていることである。住宅、日常の消費がじりじり縮小していることになる。もっとも、非耐久消費財の方は12月に前月比プラスになったので、ひょっとしたらという期待がある。
第三に、これまで先行して回復してきた耐久消費財や生産財に斑模様が見られることである。12月は輸送機械関連が低下した。エコカー減税という政策的な牽引力によって回復してきた輸送機械関連が、今後は自力で回復を続けられるのかどうかである。
2010/01/29