国会で政治家自身のカネの問題が議論されている。その議論は天に唾するようなものであり、遠い世界の笑い話でもあるようだが、一方で怒らなければならないのは所得の捕捉と課税の仕方に差別があり、サラリーマンをバカにしていることだ。
サラリーマンの所得は会社から税務当局に報告されたうえ、税も、擬似税である社会保険料も天引きされる。一方、自営業者はどうなのか、政治家はどうなのか。申告して納税していて、捕捉率も低い(つまりごまかしが効いている)。
所得の捕捉率と税金の差別を半ば自嘲的に言い表したのがクロヨン(9.6.4、ひょっとして差別用語かも)であり、トーゴーサン(10.5.3、家内の父親のために東郷さんのビールを探した思い出がある)である。要するにサラリーマンの所得は9割から10割捕捉され、自営業者、農業者よりはるかに高いことを表現している。ウィキペディアによると、政治家も最後に入れて、トーゴーサンピン(10.5.3.1)というのもあるそうだ。
昔、役人出身の人とこの話をしたら、「今はましになり、それほどひどくはなく、このままの課税制度でいいのだ」というような説明をされた。「まし」では不十分で、公平が重要である。「まし」では差別は解消されていない。
また、申告制度については、「納税者にとって申告は面倒だ」とか「徴税コストがかかる」と説明される。でも、サラリーマンの申告はすごく簡単である。納税する際にどれだけ税金を払っているのか認識を新たにできて、国のことを考えるきっかけになる。また、コストから源泉方式を続けるべきだというのは暴論だろう。コストがかかるから犯罪の摘発は止めようと言えば、多くの国民はどう反応するのだろうか。
社会保障番号制度が議論されている。プライバシーの問題があるから難しいとされ、反対論も多かった。しかし、この意味では、サラリーマンにとってプライバシーはないに等しい。番号の流用を厳格に禁じ、コピーしようとした場合やまた革命が起こった場合には自動的に記憶装置を破壊できるにして、導入すればいい。そうすれば10.10.10になる。何て読むのか、にわかに思いつかないが。
2010/02/12