川北英隆のブログ

南ア1・竜の山に咬まれる

今回、南アフリカを旅行して、最大の収穫は2つあった。1つは経済を実感できたこと、もう1つはドラケンスバーグを歩けたことである。最初に、トラが竜に咬まれたことを報告する。
ドラケンスバーグとは、オランダ語由来らしいが、ドラゴンすなわち竜の山の意味である。行くまで知らなかったが、世界遺産に登録されている。南アフリカの南東部を斜めに走っている山脈で、3000メートルを超している。山脈全体がテーブル状で、西側が平らで、東側が崖になっている。地図をよく見るとわかるが、山脈の一部は南アフリカではなく、レソト(ソト族の国)という内陸国の領土である。
これも行くまで知らなかったが(ほとんど何も調べずに行ったわけやん)、山脈の北部は1000メートル程度の崖になっていて、そこに滝がかかっている。実は、雨が多いので崖には滝がある。南米北部のギアナ高地にかかるエンジェル滝に次いで、世界第二の高さを誇るトゥゲラ(Thukera)滝もその1つである。850メートルとも950メートルとも書かれている。
ドラケンスバーグのローヤル・ナタール国立公園を歩き、そのトゥゲラ滝や他の何本かの滝のかかるアンフィシアター(Amphitheatre、円形劇場)という巨大な岸壁を見に行った。
あいにく雲の多い一日だった(どうも2月末は雨期の終わりのようだった)。トレイルの終点まで行き、アンフィシアターを見ながら弁当を食べていると、トゥゲラ滝が見え始めた。ニワトリの揚げたんをかじり、滝を見上げながら少し歩いたところで、雨に濡れた岩で滑ってしまった。膝をついたところ、そこにも岩があり、その角にまともに膝をぶつけた。痛かったがいつもの打身かなと思っていたところ、ズボンが血で染まり始めた。膝に1センチ以上の裂傷があった。
ニワトリを食べていたトラが竜に咬まれたわけだ。その後はトホホな山歩き、街歩きが続いた。

2010/03/03


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