昨日、ブログを書いたついでに調べたら、100兆ジンバブエ・ドル(Z$)札が印刷され、さらにオークションに出ているとわかったので、早速オークションに参加し、落札した。一瞬にして大金持ちの気分だ。出品者から届くのが待ち遠しい。
この100兆Z$札は2009年1月16日に印刷されたと、Wikipediaにある。実際には翌月の2月2日にデノミが実施され、流通しなかったそうだ。オークションのページを見ていると、その流通しなかった札が、どうも大量に日本に輸入されているようだ。というのも、その年の6月末で紙幣として無効になったとあるから、法的には現在は「おもちゃ」の紙幣、単なる印刷物にすぎない。
その2月のデノミは「12個の0を取る」つまり通貨の単位が「1兆分の1」になるというものだから、100兆Z$札は新100Z$札相当になったわけだ。ちなみに、このデノミ後の最高紙幣は500 Z$である。
現在はその新しい札も実質的に無価値となり、米ドル、南アフリカ・ランドに置き換わっているようだ。ジンバブエの準備銀行のサイト(http://www.rbz.co.zw/)には1米ドルに対してランド、ユーロ、日本円などの交換レートが掲載されている。
このような事態になったのは経済の混乱であり、その結果もたらされたハイパーインフレーションである。これもWikipediaからの引用だが、「2008年11月、非公式ながらインフレ率は年率換算で897垓(垓とは10の20乗、兆の1万倍の1万倍)%に達していると(ジンバブエ中央統計局によって)報じられた」、「2009年1月、非公式ながらインフレ率は年率6.5×10の108乗%であると(ジンバブエ中央統計局が)報じた。この数字は24.7時間ごとに価格が2倍になっている計算である」。
2009年にイグノーベル賞数学賞を受賞した?(少なくとも候補になった)というのも理解できる。数を理解する上で、素晴らしい頭の体操になる。
なお、100兆Z$は、印刷される直前は80米ドル程度の値打ちだったようだが、デノミの直前には30米セント程度の値打ちにまで低下してしまっていたらしい(闇市場で交換できたレートに基づく)。
2010/03/14