思うに、以上述べたことから、公的年金を国債で運用することはリスクが低いようで、実はリスクが高い。国債での運用をゼロにしろとはいわないまでも、減らしいいいのではないか。
年金シニアプラン総合研究機構の調査資料によると、世界の公的年金のポートフォリオはさまざまだ。
アメリカの公的年金は100%国債(ただし非市場性)である。株式は個人でという発想らしい。一方、アイルランドは国債の保有を禁じてきたという。
アメリカの場合、偉大な田舎国であり、アメリカがワールドであり、大いなる自信があるからだろう。とはいえ、非市場性国債にしているのは、市場から国債を購入することにより懸念される利益相反を予防しているのだろうか。アイルランドは、まさにこの利益相反への対策である。
いずれにせよ、日本でも公的年金にとって望ましいポートフォリオを堂々と議論してほしいものだ。
実は、2月26日、厚生労働省の独立行政法人評価委員会でGPIFの中期計画案が提示され、了承されたと新聞報道にあったが、その委員会を欠席していた。理由は南アフリカである。本当は出席したかったのだが、でも何が案件なのかよくわからなかった。GPIFがポートフォリオの見直しを行っていることは知っていたが、最後になって厚労省と総務省の対立があるとは予想しなかった。委員会の日程調査があったとき、26日の週に出席できないことがわかっていたので×を入れたのだが、多数決か何かでその週に決まってしまった。
本当のところ、欠席し、何も意見を言えなかったのは残念である。意見を言ったところで、状況が大きく変化することはないのだがなんて、最初から諦めては駄目である。また夏に委員会があるだろうから、その時までに理論武装しておきたいと思う。
2010/03/13