川北英隆のブログ

欧米向け輸出回復の停滞

南アフリカに行っている間、新聞を読めていない。家にとってあるが、まだ、すべてに目を通せていない。といっても、続きものだけをぱらぱら見て気になった図があった。1月の輸出が大幅に増加している図である。
2月24日の日経の夕刊である。いつもながらのことで、「多分、前年同期の図だろう」と思い、ちらっとだけ目を通すとやはりそうだった。「暇な時のブログのネタだな」と思って記憶しておいた。
今、その新聞をざっと読んだ。見出しや本文は間違いではない。見出しは、「輸出額2ヵ月連続増、金融危機反動も」とある。でも、ひねくれた見方をすると、「それで、記事は何を言いたいのか」よくわからない。
そこで、いつものように2年前の同月と比べてみた。そうすると、輸出金額(円ベース)全体は-23.5%と、12月の-27.2%よりも改善している。地域別には、中国向けが‐7.9%から-1.3%に改善していることが効いている。一方、欧米向けは9月以降、-40%前後でもたついている。要するに、中国、アジア向けだけが回復するというアンバランスが続いているわけだ。
輸出数量もほぼ同じ傾向である。ただし数量の方は10%ポイント程度水準が高い。中国はすでに2年前の水準を超えている。
以上、輸出状況の記事の解説である。

2010/03/12


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