春はあけぼのではなく、スギ花粉である。桜よりも菜の花よりも早くスギ花粉が飛来するから、春を告げる「うれしい便り」というわけだ。このスギ花粉のアレルギーは治るらしい。
治るらしいというのは実体験に基づく。
スギ花粉症になったのは社会人になったその年の4月である。会社に入って大阪勤務となり、そこで仕事をしていると、軽い鼻風邪症状になった。5月のゴールデンウィーク前に治ったように記憶している。その後、毎年、3月末から4月にかけて同じ症状になった。4年後、東京に転居して、その症状が酷くなってきた。その頃、スギ花粉症というのがあると知り、「それや」と思った次第である。
だからお花見は楽しくなかった。すぐに目に涙が溜まり、桜がかすんでしまう。5月が待ち遠しかった。スギ花粉の最盛期に「逆療法や」と称して八王子近辺の山に登ったこともあったが、帰ってからの症状の酷さは今でも記憶に新しい。
6年前の3月初旬、京都に引っ越した。その年の2月はスギ花粉症が出ていたが、3月にはましになった。「今年は花粉が少ないなあ」と思っていたが、翌年、ほとんど症状が出なかった。それ以降、スギ花粉症とは縁遠くなっている。3月に東京に数日滞在していると少し花粉を感じることもあるが、京都に戻るとすぐになくなる。ということで、「スギ花粉のアレルギーは治るらしい」という結論に達している。
年齢とともに身体の防衛機能が弱っているのか、東京よりも京都の空気が綺麗なのか、通常のサラリーマンを辞めてストレスが少ないのか、いずれかだろう。スギ花粉そのものの量は京都も多いと思う。社会人となり京都や奈良から離れて大阪で働いた瞬間にアレルギーが出たことと併せて考えると、空気が汚いかどうかの影響が一番大きいのだろう。
2010/03/19