飲み会にかまけていたが、昨日、2月の貿易統計が公表されていた。その数値によると輸出、回復の勢いがなくなったとの印象を受ける。一ヵ月ごとの統計で一喜一憂したくないのだが。
前年同月比が役に立たないことは何回か述べたとおりなので、季節的な変動を除去するために2年前の数値との比較を示しておく。輸出数量全体は-20.2%であり、1月の-16.5%より悪化している。
そのうち、アメリカ向けは前月よりマイナス幅が小さくなったものの、昨年9月以降、-30数パーセントのところを行ったり来たりである。回復が停滞しているとの評価が妥当だろう。欧州向けも同様である。アジア向けは、1月にはほぼ2年前と同じ水準にまで回復したものの、2月は-8.7%となった。こちらは前月の反動だろうし、よく調べていないが、中国の旧正月の影響もありうる。
なお、輸出金額の傾向も数量と大きな差はない。
これまで輸出は急減の反動で回復傾向をたどってきたが、いよいよ正念場を迎えているのかもしれない。とくに、欧米向けがこの半年程度もたついているのが懸念材料である。日本経済は自力で回復する力に乏しい。それだけに、輸出の動向が最大の注目材料である。その頼みの輸出がもたついているようでは、株価の先行き(市場全体)について、依然として「大したことないなあ」と判断してしまう。
2010/03/25