事業仕分けの第二弾が始まったという。見世物が欲しいという国民の要求にこたえた学芸会のようなものだとの印象が強い。というのも、大物は涼しい顔だから。
もちろん、現在、仕分けのまな板に載っている独立行政法人の罪がゼロだとは言えない。公的な医療関係の制度一つを取り上げても、同じようなものがいっぱいある。とはいえ、仕分けの対象をそれらの小物に絞っていいものなのか。
最大の大物は国会の制度そのものだろう。そもそも議員の数が多すぎる。大枚はたいて大量の議員を雇い、国会を運営してもらうのが効率的なのかどうかである。人口の減少を考えるとなおさらだ。企業では取締役数の削減と役員会の運営の効率化が図られている。国会の運営もそれを見習うべきだ。この改革を完全にほったらかしにして、重箱の隅をほじくるように、小物ばっかりをやり玉に挙げるのは、「視線を逸らす」ことが目的だとしか思えない。国会議員数を削減しつつ、ついでに一票の格差の是正を図ったらどうなのか。そのくらいの度量があれば、現内閣の支持率は大きくアップするだろう。
もう一つの大物は郵政である。郵政は株式会社だから、今回の仕分けの対象である独立行政法人と異なるということかもしれないが、では、どこに実質的な差異があるのだろうか。国でやるべきことは国でやり、そうでないものは切り離す。そのくらいのことができなくて、独立行政法人の仕分けが正しくやれるとは思えない。
要するに、事業仕分けとは、猫がおもちゃでじゃれるようなものだ。楽しそうな顔をしている「評価者」を見るにつけ、そう思う。何て、こんな比喩をしたこと自体、じゃれることで一銭の得もしていない猫に申し訳ないかも。
2010/04/23