4月の貿易統計が公表された。解釈が難しくなってきたが、4月の輸出は比較的好調だったと言えるだろう。内訳を分析すると、やはりアジアが牽引しているようだ。
ぼちぼちと、2年前との比較による評価が効かなくなっている。前年との比較、季節調整済み指数の状況を総合的に見なければならない。
2年前との比較によると、欧米とアジアとも改善している。とくに欧米の回復が著しい。しかし、よく見ると、2年前の春以降、欧米向けの輸出は低下傾向にあった。このことからすると、2年前との比較の数値は割り引いて考えなければならない。一方、アジア向けは2年前との比較でプラスに転じてきた。欧米と異なり、2年前の春も好調だったから、これがプラスに転じたことは、アジア向けの輸出の増加が本物だったことを示している。
4月の季節調整済み指数は前月に比べて上昇している。ところで、季節調整済みの数値を見る場合、10月から2、3月にかけて実態よりも上にぶれる可能性があり、逆に4月から9月にかけて実態よりも下にぶれる可能性に注意が必要である。このことからして、4月の季節調整済み指数がプラスになったことは前向きに評価すべきである。
つまり、4月はこれまでと同様、アジア向けが好調だったことから、輸出は上向きの基調を続けている。問題は、ギリシャ危機が深刻化した5月だろう。今後とも、注目したい。
2010/05/28