今週の週明けに研究室に行くと、ドアの前に黒白の模様が3つあった。よく見るとというか、よく見なくてもハトのフンだった。奈良公園のシカのフンに慣れているので、靴底で取ろうとしたが、完全に固まっていた。
そこで、これこそよく見ると、廊下に点々とハトのフンが落ちていた。どうも土日にハトが住み着いたみたいだ。「何、それ」というところなので事情を説明しておきたい。
まず建物の冷暖房は研究室単位である。廊下は無冷暖房のエコシステム(ただし建てられたのは10年以上前)になっている。光熱費は、建物を管理している学部が大学本部から与えられた予算を工面して支出することになっている。だから、今風のエコが徹底している。また、冷暖房がない廊下には大きな窓があり、夏にはその窓が開放される。ということで、ハトの出入りは自由となる。多分、土日に窓が閉められていなかったので、ハトが「こりゃええ」と鳴いて住み着いたのだろう。
ハトの一件は笑い事だが、実は建物の管理そのものがいけない。外装や内装は一切(そう思えるくらい)管理されていないから、外壁の水の多い部分にはコケが育っている。ペンペン草も生えていたように思う。窓には蜘蛛が巣を張っている。ある建物(すなわち経済学部ではない建物)に冬に用事で行ったことがあるが、「寒かったので窓ガラスには霜がいっぱいやん」と思ってよく見ると、蜘蛛の巣がびっしりだった。今日も、別の建物(これも経済学部ではない建物)の窓ガラスの内部と外部に、大きな蜘蛛がのびのびと巣を張って鎮座していた。
という我が研究室の窓ガラスのサッシのレールの内部にも、蜘蛛が住み着いている。昨年の今頃、うまく追い払ったのだが、今年も、多分別の蜘蛛だろうが、住みつかれた。巣の本体は手の届かないところにある。誰も蜘蛛の巣を払ってくれないから、じっと蜘蛛の行動を観察し、手の届くところに出てきたチャンスをつかまえて、蜘蛛もつかまえるより仕方ない。
でも、こんな管理では、国有財産である建物はたちまちのうちに価値をなくしてしまうだろう。賃貸しないから「そんなの関係ない」のだろうが。
2010/06/09