奈良の中心は三条通りと東向通り、餅飯殿通りである。今日は高校の同窓会の何回目かの打ち合わせだったので、そのついでに三条通りを歩いてみた。
郡山の実家に寄り、JR郡山駅から電車に乗った。奈良まで1駅だが、距離がある。昔、6年間、通学に使った路線である。しかし、記憶があまり蘇らなかった。大きな川だと思った佐保川(大和川の支流で奈良市内が源)も細く見えた。
しかも、JR奈良駅は高架工事中で、昔のレトロな感じの駅舎はすでに観光センターになっていた。三条通りは、そのJR奈良駅から春日大社方面に続いている。駅前に多かった旅館の多くは飲食チェーン店に変わっているようだ。三条通り自身、両側に歩道ができ、車道は完全な一車線、「細い通り」でしかない。通りの両側は、旅館だけではなく、老舗がほとんど消滅していた。墨屋、奈良漬屋など、数えるほどである。もっとも、三条通に面した天皇陵は残っている(当たり前か)。
歩いて気づいたというか「そうやった」と思い出したことだが、奈良は京都よりも一段と緑が多い。その象徴が三笠山で、昨日の雨のせいか緑が濃かった。奈良公園まで行けば、さらに多くの緑に会えるだろう。
街中は遷都1300年の効果か、観光客が多い。そんな観光客と分かれるため、三条通りから南の比較的大きな通りに入った。奈良町の下の方を通る。昔ながらの魚屋や豆腐屋などが残っていて、しかも人通りがそこそこある。古い格式のある家も点在している。多くはないが、観光客風の人も歩いている。昔の繁栄が残っている。
そんな通りを歩いて思ったのは、奈良市内に育った者にとって、奈良は捨てがたいだろうということだ。東京で家を持った奈良市内育ちの同級生の一人が、「奈良に帰りたいが、(いろんな事情で)無理」と言っていたのは本音なのだろう。
2010/06/19