今日の日経の夕刊、一面左下のコラムは「朝飯前」が話題だった。朝飯の前に仕事をするのはかどるとのこと。でも現実は、朝飯前にしていいことと悪いことがある。
コラムによると、朝飯の前は頭がよく働くとのことだった。しかし、身体の働きは異なる。だから、朝飯の前に運動するのは考えものである。つまり、よく考えてしなければならない。
新潟の名山、粟ヶ岳に4人で登ったときのこと。頂上の少し下にある山小屋に泊まった。着いた日の夕方、頂上まで登ったので、翌日は下山するだけだった。しかし、それだけでは物足りない。そこで、翌朝は一人で早起きをして、鞍部を一つ隔てたピークに登ることにした。もちろん、「朝飯前」だったし、距離からして往復1時間くらいで「朝飯前」だと思った。カメラのみ持参で出発した。
実際はといえば、そのピークまでは簡単だった。問題は帰りだった。エネルギーが切れたというか、朝飯を食べていないので血糖値が低下したのだろう。山小屋までの登りで完全に足が止まった。「食べないと」というので、道端に生えているカタクリの葉をかじりながら、喘いで何とか小屋にたどりついた。そこで飲んだ砂糖入りの紅茶の美味かったこと。
ということで、「朝飯前」のコラムを鵜呑みに(鵜さん、ごめんなさい)してはいけないという話題だ。
ついでに、このコラム、「忘れていいとも」という題だか、最後の方の文章に「忘れるのを怖れるのは古い。味方である」と書かれているが、多分、「忘れるのを怖れるのは古い見方である」だろう。日経にしては珍しいミスである。
もう一つ、ついでに、粟ヶ岳のこの季節はすばらしい。高くない山だが、残雪が多い。天候を見定めて登られることをお勧めする。
2010/06/22