川北英隆のブログ

尖閣諸島問題の雑感

尖閣諸島問題が再燃している。領土とは何なのか、とくに辺境の地、無人の地の領有権は難しい。少しばかり、領土について考えてみた。
一例として、モロッコとアルジェリアは対立しているらしく、国境は封鎖されているとのこと。両国はサハラ砂漠の真ん中で長い国境を接している。対立しているのは、モロッコが西サハラの領有権を主張しているのに対し、アルジェリアが西サハラの独立を支持しているからだ。そこでよく見ると、アルジェリアは西サハラとも国境を接している。何か、利害があるのだろう。それはともかく、同じイスラム国家にしてこれである。
それに、国境を封鎖するといっても、砂漠での封鎖をどうしているのだろうと思う。西サハラと、アルジェリア同様に西サハラの独立を認めているモーリタニアの国境には、モロッコによって地雷が埋められているとされるが。
尖閣諸島の場合、地理的には、沖縄本島や石垣島、中国本土、台湾からそれぞれそんなに離れていない。それぞれの住民が古くから尖閣諸島の存在を知っていたとしてもおかしくないと思う。
そこで、かつては主に誰が尖閣諸島を利用していたのかが領有権の根拠となるだろう。これに関しては客観的なデータを持ち合わせていないので、そもそも論だけである。
また、中国の領有権の主張の根拠の一つが、大陸棚の端に位置している事実である。正直なところ、世界の現在の裁きがどうなっているのかはともかく、これを根拠にされると大陸側が有利で島国側は不利である。それに、大輪棚に乗っかっていることで、その島に対して領有権が主張できるのであれば、五島列島、対馬、隠岐などの領有権も怪しくなってしまう。この点はグーグル・マップで確認してもらうにかぎる。
要するに、何年間かは知らないが、尖閣諸島が無人であったこと、「領土からの一定の距離の範囲」の海洋資源についても権利が生じたこと(経済的にも海洋資源の採掘が可能となったこと)、さらには尖閣諸島の近辺で海洋資源が確認されたことが、日中間の紛争の発端である。
経済の発展とは、以上の意味で罪作りである。領有権の争いが生物資源を破壊しているともいう。こうなると世界的な問題となる。いずれにせよ、過去はほったらかしにしていた島なのだから、適当に折れあって、世界全体の効用の最大化を図るべきだと思うのだが、政治の世界はそうはいかないのかな。

2010/09/22


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