本日(10/3)の日経新聞の9面「ニッポンこの20年」特集で、代表的な経営者に対するインタビュー記事が掲載されていた。日本の停滞に関するインタビューである。「やはりね」、「これじゃあ日本の企業はダメだ」というのが正直な感想である。
インタビーの相手は東芝の西室氏、ソニーの出井氏である。まだ出井氏の方がまともであるが、「やはりね」と思ったのは、両氏は著名企業の経営のトップの座にいたわけだから、まず経営として何をしたのか、何をすべきだったのか、それを語るべきなのに、それがなかったからだ。
西室氏のインタビュー「日本の戦略あいまい」に至っては、その見出しが示しているように、日本が停滞したのは政府が無策だったと決めつけたような内容に終始している。もちろん政府の戦略は重要である。しかし、民間企業が政府の戦略に全面的に頼ってどうしようというのだろうか。敗戦後の復興期の成功体験に二匹目のドジョウを願うようなものだ。東芝という日本の代表的企業がこれでは、日本の先は思いやられる(だから、こんな体たらくになってしまったのか)。政府に頼れないから、「我々はこう行動した」という覇気を示して欲しいものだ。
出井氏のインタビューの見出しは「ダイナミズムがない」である。この見出しは、暗に西室氏の発言か彼自身の発言に向けられたものではないかと思えてしまう。まあ、インタビュー記事というのは記者の感性に依存している。本日のインタビュー記事は紙面の内容に則した発言だけを抽出したもの、全体の発言とは別だと考え、とりあえず納得しておきたい。
2010/10/03