先日、京大の時計台に入っているカフェで元の会社の上司と会った。1955年経済学部卒業生の55周年同窓会のために大学に来たからとのこと。話をしていると、企業経営や就職活動について同じ思いでおられることがわかった。
かつての上司Mさんは78歳になられたそうだ。70代だとは思っていたが、言われてみて、計算するとそうだった。Mさんが部長時代をされていた昭和50年代の終わり、一緒に株式関係の仕事をさせてもらった。こちらが年金をもらう年齢になったのだから、当然そうなのだと思うものの、普段はあまり自分の歳を考えないものだから。
日本の企業経営について、円高に対して企業ははるか昔から騒いでいたわけなのに、何故今も騒ぐのかということで、ほぼ同じ意見だった。抜本的な対応をやってこなかったから、またまた騒いでいるのだろう。
就職活動については、3年生に始まるのはとんでもないということで意見が一致した。これじゃあ勉強しないというわけだ。
私の頃は早い企業(証券会社)が抜け駆け的に、3年生が終わる3月頃からスタートしていた。本当の就職活動の解禁日(紳士協定上の解禁日)は4年生の5月1日、就職試験は7月1日だった。そんなに就職活動に拘束されることのない幸せな時代だったが、それでも授業には全く出なくなったし(卒業に必要な単位が取れてしまっていたからだが)、それまでいろいろやろうと思っていたことも、おざなりになった。結局は本を読みふけり、雑文をどっさり書き、旅行や山登りをして1年間が終わったと記憶している。それでも、20代前半にやったことは、30代以降、間接的だが、大いに役立った。
長期間、就職活動のために貴重な学生時代を棒に振るのは個人にとってもったいない話だし、社会的にも無駄なことだ。それを止められないどころか、何も言わない政府って何だろうか。またまた、就職活動に対する悪口になってしまったが。
2010/10/08