川北英隆のブログ

貿易に停滞感強まる

財務省が9月の貿易統計の速報値を発表した。貿易量、金額とも回復が一服、むしろ金額ではゆっくりと低下しているようにも見える。
何回も書いているが、貿易には季節性があり、しかも2008年のリーマンショックによって、大混乱した。どの時期と比べればいいのか、よく分からない。
何て言いながら、この9月はリーマンショックから2年経過した記念月である。3ヵ月の移動平均が簡便でいいと思っているので、それで状況を簡単に見てみた。
輸出数量は7月、8月に横這った後、少しだけ上昇した。前月の3ヵ月移動平均値と比べ、欧米向けが上昇、アジア向けがほとんど同じ水準である。
輸出金額は7月以降、ほんの少しずつ低下が続いている。今月はアジア向けの低下が少し目立った。
いずれにせよ、大した変化は起きていない。しかし、2007年のピーク水準と比べてまだまだ水準が低い段階で、輸出数量、金額とも頭打ちになったのは気にかかる。これが円高の影響なのか、世界全体の経済活動が頭打ち状態にあるのか。多分両者の影響なのだろう。日本経済にとって、まだまだ予断を許さないのが実態である。

2010/10/25


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