川北英隆のブログ

強風に雪岳山を思う

昨日の京都は正午過ぎに強風が吹き、俄雨となった。ベランダに並べてある大きめの植木鉢が横転した。ツッカケまで飛ばされた。台風並みの風が吹いたのだろう。
雨は大した降りではなかったが、風が強いのでサッシに叩きつけるようだった。ついでに2、3回雷まで鳴った。冬の初めにしては珍しい天気だった。
そんな、いろんなものが飛ばされるのを見て思い出したのが、韓国の雪岳(ソラク)山に登った時のことだ。雪岳山は韓国の東海岸、北朝鮮との境界線近くにある。立派な岩山が続いており、若葉や紅葉が素晴らしいとのこと。登ったのは10月末で、「紅葉を堪能する」との触れ込みだったが、その年の紅葉はほぼ終わっていた。
その代わり、稜線に出ると強風が待っていた。晴れていたのに、である。冬型の気圧配置になったのだろう。雪岳山は1708メートルの山だが、付近一帯で一番高い。だから、風を遮るものがない。岩にしがみつき、登山道に張ってあるロープに掴まりながら稜線を下りた。花崗岩の崩れた砂が風で飛ばされて顔に当たるから、痛いし、目も開けていられない。以前、福島の吾妻山で雪交じりの強風に出会い、這うようにして稜線を下ったことがあるが、その時は砂が飛んで来なかったので、まだましだった。
稜線から少し離れると風が止んだ。雪岳山からは、金剛山をはじめとして北朝鮮側がよく見える。今から思うと、飛んできたのが風と砂でまだ良かったと思う。その時(2年前)は、鉄砲玉の飛ぶような緊張感はなかったが、それでもあまり気持ちいいものではなかった。

2010/12/04


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