川北英隆のブログ

アルジェリアの緊張

アルジェリアの国はアメリカとして比較的安定しているが、北部や東北部はテロの危険がある。1990年代の内戦状態の影響が残っている。
このため、荷物検査はやたらと面倒で、搭乗するのに3回検査されることは当たり前である。政府施設への立ち入りや写真撮影も厳しく制限されている。警察や軍隊をよく見かける。
今回旅行したアルジェ、ラマンラセットと、タッシリナジェールのあるイリジの各県は比較的安定していて、外務省の海外渡航情報では「十分注意してください」程度だが、アルジェの近くに「渡航の延期をお勧めします」の地域が広がっている。
内戦はイスラム原理主義組織とその他との間のものだが、潜在的には民族間の対立もありそうだ。南部はベルベル人系が多く、今回のガイド達はその一派のトゥアレグ族だったが、彼らはアルジェリアの多数派であるアラブ人を快く思っていない。自分たちの方が能力的に高いと思っているし、アラブ人をずるい民族だと思っている。アルジェリアは世界で第11番目に広い国である。いずれスーダンのように北部と南部で分裂する可能性があるように思えた。
南部に石油でも出ようものなら、一気に緊張が高まるだろう。現在の南部にあるのは豊富な観光資源だけであり、その観光資源の保護(ゴミ問題)は不十分である。政府として故意にほったらかしているのかどうかは不明だが。
追記:1/15、チュニジアで国民の不満から政変があり、大統領がエジプトに逃亡した。隣国のアルジェリアにも緊張が走っていることだろう。警察や軍の取締りがより厳しくなっているかもしれない。

2011/01/14


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