川北英隆のブログ

タッシリ・ナジェールの課題

タッシリ・ナジェールは岩絵で有名である、どんな岩絵なのかはネットで見てもらえればいい。ではどんな観光になるのか、観光の問題はないのか、行きたい人のために少し書いておく。
通常の車道はないに等しい。四輪駆動車でポイントを回るツアーもあるらしいが、今回の旅行はジャネット付近の入口まで四駆で行き、そこから徒歩、テント4泊だった。
テント用の荷物はロバが運んでくれる。食料は現地コックが同行し、調理してくれる。飲み水はロバが運んだミネラルウォーターだが、食器を洗うために渓谷に溜まった水を汲んできて使うこともあるようだった。テント泊について、夜は零度近くまで冷えるため、シュラフは冬用が旅行会社のお勧めだった。テントの下に敷くマットは現地調達で、ロバが運んでくれる。正確にはマットは荷物を運ぶときのクッションであり、寝るときにそれを敷くことになる。要するにロバの臭いの付いたマットで寝る。馬小屋で寝る気分を少し味わえる。
そうそう、タッシリ・ナジェールの地形は複雑だ(同じような岩峰が連続している)から、現地ガイドなしに歩くのは不可能に近い。満足な地図もない(ネットの地図店を調べたが、詳しいガイド地図はなかった)。一度台地の上に出れば、後は平坦な道なのでいくらでも歩けるが。
テント場は決まっているようだ。砂地のある場所である。トイレは自由である。問題は、テント場周辺が汚れていることだ。トイレの紙は持って帰るべきだが(ゴミもロバが運んでくれる)、それが徹底していない。ペットボトル、空き缶類、瓶類も残されている。ひどい場合は岩穴がゴミ捨て場になっている。
辺境の地のため観光客が少ないからあまり目立たないが、早いうちに手を打たないとせっかくの世界遺産が台無しになるだろう。トイレも本当は太陽光発電を使って処理する設備を設けるべきだろうが、もともとロバやヒツジの糞も多い状態からすると、まあ観光客の分なんか大したことないのかもしれない。

2011/01/19


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