川北英隆のブログ

落ち込んだ1月の輸出

時間が少しできたので、23日に公表された財務省の貿易統計を分析してみた。貿易統計ベースで1月は22ヶ月ぶりの赤字だというので、気になっていた。
1月が赤字になるのはそんなに珍しいことではない。日本が正月なので、季節的に輸出が落ち込む。とはいえ、日本の貿易が大幅な黒字であれば、毎年赤字になることもない。
数字を眺めると、輸出は数量、金額ともに前年1月を少し上回る程度にとどまっていた。昨年末の数ヶ月は前年同月で10%前後の増加を示していたから、それとの対比で、1月はあまり良くなかったと言うべきだろう。
財務省は季節調整値も発表している。それによると輸出金額は12月と比べて1.0%増加したことになっている。しかし、季節調整はリーマンショックの影響があり、あまり信用できない。ということで、いつものように3ヶ月の移動平均を計算したところ、1月の数字は12月と比べて大きく落ち込んでいる。
地域別に見ると、欧米、アジア向けとも落ち込んでいる。中でも、中国向けの落ち込みが大きい。これによってアジア向け全体も落ち込んだようだ。中国向けは中国の旧正月の影響を大きく受ける。今年は2/3からだった。ブログに書いたように、昨年12月の中国向けは非常に良かった。この12月の輸出は、1月分を先食いしていた可能性が高い。
2月がどうなるのか、そこでチェックだろう。とはいえ、12月の輸出に関する評価は下方修正する必要がある。

2011/02/27


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