ナイロビから南下し、国境を越えてタンザニアに入るとアルーシャである。ナイロビの飛行場を使って陸路、キリマンジャロを目指し、またはンゴロンゴロやセレンゲティのサファリに向かうと、道は一本のみ、アルーシャに立ち寄ることになる。
アルーシャはメルー山(Mt. Meru)の麓に位置し、いわばオアシスの町である。メルー山は4566メートルの立派な山なのだが、すぐ近くにキリマンジャロがあるため、あまり注目されていない。とはいえ、大きな山だから地下水が豊富である。アルーシャはその地下水の恩恵により、タンザニアの内陸部の主要都市として発展してきた。
実はアルーシャは宝石の都でもある。現在、タンザニア産の宝石として一番有名なのはタンザナイトである。深い藍色をしている。これ以外に緑色のガーネット(柘榴石)、アレキサンドライトなどが出る。アルーシャに行って探すと、これら以外にルビー、サファイア、トパーズも地元産が店頭を飾っていた。
たとえば、http://www.ruby-sapphire.com/tanzania-tanzanite-mines.htm が参考になるだろう。
これだけ多様な宝石を産出するのはスリランカ、ミャンマー、パキスタン、アフガニスタン、マダガスカル、ブラジルと比肩する。ブラジルを除き、何らかの大きな問題を抱えた国である。また、ミャンマーもそうだが、タンザニアには中国が急速に接近している。宝石を産出することは、レアアースやレアメタルの豊富な埋蔵の可能性があると思える。中国のしたたかな戦略が痛感される。日本もODAでタンザニアに道路を建設し、稲作を紹介したとのことだが、現在の勢いはといえば、中国に大差をつけられたようだった。
今回は宝石によだれし、レアアースやレアメタルによろめきそうな感覚を味わってきた。タンザナイトは高くて買えそうにもなかったし。
2011/02/03