川北英隆のブログ

第二のシルバー精工はいずこ

これは某アセットマネジメント会社に教えてもらったことだが、実は代表的な株価指数、TOPIXの動向(値下がり)にかかわらず、値上がりしている企業が「意外に多い」。そこで、それを確認してみた。
2000年年初から最近まで、つまり11年間の間に、TOPIXに投資していたとするとどれだけの価値になったのか。一方で個々の株式に投資していたとしたらどうだったのか。それぞれ計算してみた。
そうすると、TOPIXの場合、2000年年初に1円投資したとすれば、11年後に0.575円になっていた。4割以上、価値が目減りしたことになる。で、個別の株式に投資したとすれば、この11年間連続して上場を続けていた企業が1373社、そのうち値上がりした企業が818社あった。価値が目減りした企業よりも、増加した企業の方が多かったことになる。さらに、2倍以上になった企業も328社ある。市場の平均な姿と、個々の企業をつぶさに観察した姿とに大きなズレがある。
この差は何によるのか。数値分析していないので直感であるが、1つはこの11年間に消滅した企業がTOPIXを引き下げているのだろう。経営がダメになり同業他社に救済的に合併してもらったり、最悪の場合はシルバー精工のように老衰死してしまったりというわけだ。ちなみに、シルバー精工が上場廃止になる直前はといえば、1373社の中のワースト5指に入っている。TOPIXはそのようなダメ企業の歴史を引きずっている。この直感が間違っていることはあまりないだろう。
もう1つは、大幅に上昇した企業は比較的小型の企業が多いことである。こちらは多少「?」であるが。
以上の直感がどこまで正しいのか、他の説明要因があるのかどうか。面白い研究テーマになると思うが、手間もかかりそうなので、とりあえずは問題提起程度にとどめておく。

2011/02/10


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