エジプトの混乱と革命で思ったことがいくつかある。ネコの話ではない。って書いて、ついでにネコに連想がいってしまったが。
エジプトにはまだ行ったことがない。ピラミッドの前で観光客に向けて銃の乱射事件があって以降、躊躇しているからだ。調べると1997年のこと、観光客60人が死亡したらしい。当時から不満が溜まっていたのだろう。
エジプトにはシナイ半島に登れる山があり、エジプトの最高峰だとか。有名なシナイ山とその連峰である。簡単に登れるので近々行こうと思っていたが、今回の革命でしばらくお預けになってしまったようだ。
今回の革命の原動力はインターネット情報だったと報じられているし、各国の反応を見ていてもそうらしい。しかし、いくらインターネットが発達していても、日頃の不満とその不満を爆発させる意志がないとダメである。日本社会にも不満が鬱積しているが、その不満の度合いが小さすぎるのか(不満だといいつつも、同時に満足している側面が強いのか)、インターネットのゲーム漬けになっていて意志薄弱なのか、いずれにしても「革命」は起きそうもない。
それにしても、何十年(エジプトは29年)間も政権を維持する独裁的政治家というか人物とは何なのか。やっとのこと1年しか寿命のない日本の政治家と本当に好対照である。
延々続く独裁的政治体制は経済や社会に悪しかもたらさないようだ。日本では、独裁的とは言わないまでも、自民党政権がその好例だろう。とはいえ、日替わりメニューの政治も困ったものだ。独裁者が笑顔さえほとんど振舞わないとすれば、日替わりメニューは客に来てもらうために媚を売りっぱなしである。
独裁政権は腐敗に至る。報道によると、ムバラク氏は国外に最大5.8兆円もの資産を保有しているという。額はともかく、スイスの銀行が口座を凍結したというから、隠し財産を大量に保有していたのは確かである。昨年のブログで取り上げたジンバブエの大統領も海外に巨万の富を保有していることで有名である。これらの富の中には不動産も含まれる。でも、そんなに財産を持ってどうしようというのだろうか。ムバラク氏はもうじき83歳になる爺さんだ。そんなにゼニを使えないだろし、海外の不動産というか別荘に遊びに行くのも大変、ひょっとしたら体調を崩して死んでしまいかねないだろうに。
財産が家族主義的な意味でのものなら、その財産を維持するために独裁を続けなければならない。現代の王様だ。そんな政治に支配された国民はたまったものでない。
この巨額の腐敗、日本の政治家にとって垂涎の的なのか、他山の石となるのか。わが家にはどういうわけか(何て、どこかの博物館の土産売り場で買っただけなのだが)エジプトのピラミッドに飾られていた?という猫の置物のレプリカがある。その猫がエジプトのことをどう感じているのか、質問してみようと思う。そうそう、その猫、耳のピアスが片方欠けている。持って帰る時に取れたせいだ。耳だけはナイロビの食わせ物の上品ネコと好一対である。
2011/02/13