川北英隆のブログ

山での食料問題とロバの冥福

ついでに、山を歩くときの食料問題がどのように解決されているのか記しておく。というのは大袈裟で、食料問題にひっかけて、「いつか」と思っていたロバのため、登場の機会を作った。
タッシリ・ナジェールは台地の上にあると書いた。そこを歩くにはテント泊になる。水も燃料も満足にない。そこで生活道具一式を運ばなければならない。誰が運ぶのか。人間が自分で運んでもいいのだが、タッシリ・ナジェールではロバの役目となる。
写真はロバとロバ使いである。朝の出発前、後方に並んでいる荷物をロバの背中に載せるとこだ。50キロ以上の荷物をロバ1頭が運ぶ。岩がごろごろした道もある。台地の登り降りは道幅も狭く、急な坂である。ロバに運んでもらった私の布製ザックは岩にこすれたのだろう、小さな穴が3つほど開いてしまった。
でも、そんなロバに腹を立てるのは罰当たりだ。タッシリ・ナジェールの台地からの下り、岩に血痕が付いているに気づいた。その10メートルほど下にロバの死骸があった。下るとき、荷物といっしょに落ちて死んだのだろう。冥福を。
そう言えば、部屋ではフォーレのレクイエムが流れている(偶然である)。そのロバ、キリスト系の曲は嫌だと文句を言っているかもしれないが。
写真はそのロバではありません。念のために。
_F9H1654ロバとロバ使い.jpg

2011/02/20


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