222の猫の日、イボットソン氏と講演した。イボットソン氏が、自ら開発しているファンドを紹介するため、さる証券会社のバックアップを受けて日本を訪れ、講演した。その前振り役を頼まれてしまった。
前振りといっても、事前に双方の講演内容を摺りあわせたわけではない。イボットソン氏が何を話すのか、おおよそのところを1回聞いただけであり、こちらの話も最近の関心事をまとめただけである。
イボットソン氏は投資の世界で著名である。もしも知らないのならネットで検索してほしい。
そのイボットソン氏が最近、いろんなところで講演しているテーマは、流動性プレミアムを目標とした投資に関してである。要点は、人気がなく(そんなに注目されておらず)、売買の相対的に少ない証券は、その価格が安値に放置されているから、その証券に投資すると投資収益率が高くなるということである。この可能性を日米欧の株式で検証し、その結果に基づいてファンド運用会社を設立したという。ゼブラ・キャピタルマネジメントという会社である。
「ゼブラってシマウマやん、これまたアフリカ的な」というところだ。何故、ゼブラなのかは残念ながら質問できなかった。
ゼブラという社名の真意はともかく、売買の相対的に少ない株式に投資すると投資収益率が高いという過去の実証分析の信憑性は高いように思えた。しかも、その理由も常識的に説明できそうだ。
1つの理由は、売買が多いのは投資家が「群れている」からであり、群れているから価格も割高になっている可能性があると考えられる。もう1つは、すべての企業にすぐさま、まんべんなく人気が集まるのではなく、波状的に人気が起きる。つまり早目に人気が訪れる企業と、遅れて人気が訪れる企業とに分かれるからだと考えられる。前者の理由は投資行動の特徴をうまく把握している。後者は経済活動の特徴でもある。
ということで、インデックスからいかにうまく距離をおき、高い投資収益率を得るのかという観点から、流動性(売買の相対的大きさ)に着目するのは1つの有力な方法だと思えた。
2011/02/22