大地震で福島原発が深刻な状態に陥っている。原子炉が完全に制御できるかどうか、まだ予断を許さない。むしろ、危機が接近しているようにも思える。経済活動にとっても深刻だ。
経済産業省が13.30の状態として発表したところによると、東北電力女川は3基のうち1基がまだ完全に制御できていない。東京電力第一原子力発電所は運転中の3基のすべて、第二原子力発電所は4基のうちの3基がまだ完全に制御できていない。このうち福島第一原子力発電所の1号基の燃料棒が損傷している可能性もあるらしい。悪くすれば1979年に発生したアメリカのスリーマイル島原子力発電所の事故のように、濃度の高い放射能が外部に放出される危険がある。最悪の事態は1986年のソビエトのチェルノブイリ原子力発電所のような原資炉の爆発である。
最悪の事態にならないことを願っているが、引き続き経済産業省原子力安全・保安院からの情報に注意を払わなければならない。http://kinkyu.nisa.go.jp/
また、最悪の事態に近づいてしまった場合、風向きに注意する必要がある。高気圧が日本を覆う、もしくは太平洋側に抜けた場合(つまり下り坂の天気の場合)、風が海側から吹くことが多いはずだ。こうなると、放射能が内陸部に流れこみ、関東に達する可能性もある。
今回の原発の事態は日本経済に対しても深刻な影響を与えるだろう。東京では今夕、電力供給が不足しかねないという。福島原発が大事故を起こし、完全に停止してしまうと経済活動を制限しかねない。大事故にならない場合でも、点検のために発電所が使えなくなる可能性が高い。また、原発に対する不信感が一気に高まり、エネルギー転換に大きな支障を与える。
今回の大地震が日本経済の変化を加速させると想定しておきたい。
2011/03/12