菅政権に最後のチャンスが巡ってきた。福島原子力発電所が依然として危機的である。自衛隊、警視庁の隊員が命をかけている。その現場に、やはり最高責任者が出向き、陣頭指揮すべきだろう。
ニュースを聞いていると、昼に自衛隊が行った海水空中散布は異例の対応である。警視庁も異例の対応を迫られている。まだ、警視庁による地上からの放水がなされておらず、きわめて慎重に検討されているようだが。いずれにせよ、現場の任務は正真正銘命がけである。瞬間的に死ぬのならともかく、長期間にわたって放射能障害に侵されるのは、死ぬ以上の苦しみだ。
そんな隊員に命令を下すのだから、最高責任者が現場に赴くのは当然だと思う。遠くからあれこれ命令していたのでは、「命がけでやってくれ」との言葉が浮いてしまう。政治もまた、国民から選ばれたわけだから、私利を無視して命がけであるべきだ。
不謹慎な言い方かもしれないが、菅政権として、新たな浮上のチャンスが到来している。福島原発に対策本部を移し、そこで指揮することである。現時点の日本にとって、また世界経済にとって、目下の最重要課題は福島原発問題である。一昨日、昨日の世界の株価の動きを見れば一目瞭然だ。そうであるのなら、菅政権が福島原発に出向き、本当に命を賭したとしても、何の違和感もない。その陣頭指揮が効果を発揮し、原発の事故が終息に向かえば、銅像が立ち、世界の歴史に金字塔を残すのはもちろん、民主党の人気が一気に回復するだろう。踏み絵かな。
2011/03/17