枝野官房長官は、福島第一原子力発電所を廃炉とすることを示唆した。廃炉が首都圏に与える影響は大きい。でも、最悪の事態は廃都である。関西への一時移住者の増加は、そんな不安心理を生み出す。
廃炉により、470万kWの発電能力が東電から失われる。東電の前能力の7%以上である。東電が新規の発電設備に投資をし、能力アップを完了させるまで、何年間にもわたり、夏場の停電を覚悟しておかなければならない。
通勤はクールビズでは間に合わず、Tシャツと短パンになるだろうか。職場は窓を開けないと「仕事なんかやってられない」状態になるだろうが、いまどきの建物は窓が開くのだろうか。昔の町工場のように、男はステテコ姿で働くのかもしれない。冬はダウンジャケットを羽織っての仕事になる。家では肌着の上に直接ダウンジャケット姿でときどき仕事をするが、こちらはなかなかのものだ。
問題は東京の廃都だ。微量とはいえ、放射能が関東から東北に拡散してしまった。食料、飲料、さらには空気が危険にさらされている。とりあえずは、今食うコメは昨年収穫したものだし、飲み水はミネラルウォーターでしのぎ、野菜類は中国産を使うとしても、原発の事故が長期化し、収束が遅れればどうなるのか。考えておく必要がある。
廃都ともなれば、その損失は日本経済の根底を揺るがしてしまう。ミネラルウォーターは買えず、野菜の輸入もできないほど日本が貧乏になることだってありうる。箱根以西もしくは北海道の国産品で間に合わせるにしても、価格は暴騰するだろう。
廃都のバロメーターは天皇家がどうするのかかもしれない。政府役人や政治家の行動も要チェックだろう。
いずれにせよ、原発事故が早期に終息すれば、放射能による汚染量はまだ何とか凌げる範囲にある。東京廃都が杞憂に終わらんことを。
2011/03/21