今日、日本銀行は日銀短観(3月調査)の参考資料を公表した。日銀短観のアンケート回収基準日は3/11だったので、地震の影響を十分に反映していない。参考資料はこれへの臨時措置である。
日銀は3月11日までの回収分を「地震前」、3月12日以降31日までの回収分を「地震後」とし、業況判断DIだけを再度計算し、参考資料として公表した。
今日、公表された業況判断DIによると、やはり企業は先行きへの懸念を強めているようだ。
「地震後」の特徴の1つとしてとして、非製造業に深刻な見方が多いことを指摘できる。非製造業には国内依存型、消費依存型の企業が多いことの反映であろう。鉄道、小売り、そして話題の電力業界である。
もう1つの特徴は、大企業が中堅・中小企業と比べ、概して深刻な見方をしていることである。2000年以降、大企業の方が中堅・中小企業よりも業況はおしなべて良かった。では今回のより深刻な見方は何によるのか。多分、大企業の事業基盤が全国に展開していて、被災地域である北関東から東北も当然に含まれているからだろう。
ついでに嫌味を書いておく。今日の日経夕刊1面のこの参考資料に関する記事だが、最後の段落の意味が一読では不明である。ブログの読者が新聞を購読してられる場合を想定して簡潔に書いておく。新聞記事の書き方は接続詞をなるべく使わないものとなっている。で、記事の見出しは「景況感 先行きマイナス」であり、全体の流れ(34行)もこの見出しに則しているが、この最後の段落(5行)だけは「景況感が向上した」部門をとりあげている。接続詞なしに文の流れが反対方向に行ってしまったわけだ。このため、読んでいる者からすると、「何のこっちゃら」ということになる。まあ、急いで書いた夕刊だから仕方ないか。
2011/04/04