約1ヵ月ぶりに大文字山をトレーニングで歩いた。春が盛りである。連休の始まりのため、街中も、銀閣寺も、大文字山も人が多い。そんな中、イヌザクラの花を見つけた。
大文字山は残念ながらミズナラが大量に枯れてしまい、歯抜けのようになっている。芽吹いているミズナラもあるが、今年の夏を耐えられるのだろうか。新緑が美しいはずなのに、ポッカリと青空だけが見えていると(というのも、枯れたミズナラを消毒するために伐採作業が冬に行われた)、あまり春という気分がしない。
それに、大文字の頂上付近はまだ初春である。ようやく広葉樹が芽吹いただけだ。それと比べ、登山口は完全に新緑である。ぼちぼち藤の花が咲こうとしていた。500メートルに満たない山とはいえ、微妙な気温差が頂上と登山口とで季節の違いをもたらしている。
蹴上の上の日向神社に下りると、花が一面に咲いていた。八重桜、モミジ、シャガ、ムラサキケマン、ヤマブキの花があった。モミジの花は地味だが、新緑の中の小さく赤い花が心地良い。シャガの白地に紫模様の花はとりすました感じだが、どこか間の抜けた風情もある。ムラサキケマンは小さい花だが、かつて武尊山(ほたかやま)の雪の壁を越えて麓に下りた時、キケマンとともに一面に出迎えてくれたのを思い出す。
それらの花は西に傾いた太陽に映えていた。写真を撮り終え、蹴上に下りようとすると、遠くに白い花が見えた。イヌザクラである。房状の花が天に向かって咲く。何故、「イヌ」なのか、多分見下した命名なのだろうが(ヒトザクラなんてないものの)、なかなか見ごたえのある花だ。本当の名は、イヌザクラに似たウワミズザクラかも知れない(多分そうだろう)。遠くなので上手く撮れなかったが、参考のためにアップしておく。
2011/04/30